吾亦紅

本日もご覧いただきありがとうございます。



毎年長月に入ると栗野岳に登ります。

霧島も好きですが、この栗野岳がより心地いいのです。

茶道には支度がいろいろありますが、一番の楽しみはその季節きせつに咲く野の花を入れることです。習いたてのころ秋の茶会で 恩師が「吾亦紅(ワレモコウ)が手に入るとご馳走になるのだけれど」とおっしゃられたことがありました。 初めて聞くその名前に 私は 「それはどんなお味ですか」 と尋ねたことがあります。 

恩師は 「それは紅色に染まった小さな実のように咲く野花です。自己主張はないけれど存在感があるお花なのよ。」

花屋さんの吾亦紅ではありません。もちろんどなたのお宅の庭に咲く吾亦紅か野山に咲く吾亦紅です。



少し恥ずかしかったのですが、ご馳走になるお花 私は自生するその花をいつかこの目で見つけたい と思ったものでした。 



そして何年か過ぎ 子供がまだいないころ主人に誘われて栗野岳に登りました。

そしたら なんと 風になびく小さな紅色になる ”吾亦紅” が群生しているのです。

もうそれはそれは 感激でした。



そのころはまだあまり開発もされていなかったのですが、残念なことに年々少なくなっています。 心無い方が根っこごともって帰えっています。



今年も吾亦紅に逢えるかなぁ 栗野岳に到着するまで 何度も主人に言ってしまいます。

今年も自己主張はなくてもしっかりと存在。ここに咲いてますよぉ。と

私を喜ばせてくれました。

ずーと 自然が残り、自生する植物が途絶えることがないように祈るばかりです。

殺伐とした現代、自然に感謝し共存していくことで 人は心が癒され 優しくなると思います。



今日も皆さまが幸せで元気にすごせますように。