医療接遇から効果的なオンライン診療のヒント(vol.1)

昨夜の満月は、いつも以上に明るく街を照らしていました。
新型コロナウイルス感染者数が少しずつ少なくなり、先が見えてきました。おはようございます。

さて連休明け、先生のクリニックはいかがでしょうか。

オンライン診察を導入し始めたクリニックも多いと思います。
これまでは患者さんが来院して目の前から
患者さんの顔色や様子、醸し出す状態からも適切な医療行為に繋がりました。
「見ればわかる」→「診る」 触れることができました。

しかし、オンライン診療では患者さんと共有する温度感は感じにくく
自分の状態をうまく伝えられる患者さんだといいのですが、そうでない患者さんの診察では
どのようにチャッチするかが診断の肝でもあります。detail_171_img02.jpg

より効果的なオンライン診療には大きく2つのポイントがあります。

1.環境的要素・・・機材、場所、ネット回線状況 等
2.人間関係的要素、つまりコミュニケーション力

環境的要素(ハード面)は言うまでもありませんが、クリニック側が整備されていても患者さん側の整備やパソコン操作等のスキルも必要です。

そして、人間関係的要素、ソフト面です。
そのヒントは、
まず先生の最初の声掛けが今日の診察の満足度に直結します。


例えば、
医師:「○○さん、こんにちは。今日はいかがですか(どうですか)?」 それとも 「○○さん、こんにちは。今日は痛みはありますか?」

先生はどのような声掛けでしょうか。

「今日はどうですか?」→オープン・クエスチョン 
「痛みはありますか?」→クローズド・クエスチョン です。

オープンクエスチョンは、二者択一で回答できる質問ではありませんので、患者さんの自由度が高まります。
クローズド・クエスチョンは、イエスかノーか です。
さらに質問の仕方で会話の方向が変わります。
「痛みはありますか?」と聞くと、痛みは『あるか、ないか』にフォーカスします。
患者の「痛み」状態を明確にしたいのであれば、「痛みはどうですか?」と聞くほうがいいかもしれません。

さらに、もうひとつ
診察時間の調整にも使えます。
これまでの診察で話が長くなりがちな患者さんには、クローズド・クエスチョンで迅速になります。

もちろん普遍的な安心安全な医療の提供、痛みや辛さを共有できる医療者であることは変わりありませんが
今回の新型コロナウイルスにより、医療現場の体制も変わっていきますね。

ヒントになれば幸いに存じます。次回もオンライン診療のヒントをお伝えしていきます。