「問診はこれでいいのでしょうか」と聞かれました。

この度の台風による洪水で被災されました皆さま、心よりお見舞い申しあげます。広域に被害があり、道路の通行止めで物流も滞っているようです。一日も早い復興をお祈りしております。

問診は何のためにあるのでしょうか 

あるクライアント先看護師さん、新患さんが続き、問診業務に追われています。

「こんにちは。看護師の○○です。よろしくお願いいたします」
笑顔で聞き取りやすい声で言葉づかいも、好感が持てます。

しかし、患者さんが書いてあるのを見ながら、「今日は、首が痛いのですね。いつからですか。どこらへんですか。見せてください」と言いながら、すでに触れています。

そして、書かれた内容に沿って、確認。

決して、評価の低いアナムネではないのですが、あいさつや、言葉づかい、表情がとてもいいのだけに
とてももったいないと思いました。

なぜなら、そもそも問診は確認チェックではないのです。

何のために問診があるのか。
目的は、患者さんの症状や訴えを聴きとり、相手のニーズに合わせた、最適、最善の医療に繋げるためではないでしょうか。

相手のニーズには、痛みをとって欲しい人もいますし、不安を解消して欲しい人もなかにはいるかもしれません。

医療は、体の不調が心の不調になる場合もあるし、その逆もあります。
病気は気の病から という言葉があるようにです。

満足の医療提供を目指すには、まずは納得です。
納得するには、その心情まで汲み取ることです。

では、どのような問診をするといいのか
最初のアプローチが重要です。

「今日はどうなさいましたか」とその背景について、質問することです。
「○○が痛いのですね」という質問だと、「痛い」についてしか、患者さんは答えません。

オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンの違いです。

オープン・クエスチョンは「開いた質問」で、「ハイ」「いいえ」では答えない質問です。
クローズド・クエスチョン「閉じた質問」だと、短い答えしか返ってきませんし、それ以外の答えがあるとしても幅が狭く限られてしまいます。

オープン・クエスチョンだと、患者さんは話したいと思っていることを話せて、会話が発展していきます。
自由度が高い回答をすることができるのです。

つまり、ニーズを引き出すテクニックであるとも言えます。10Choosing-the-key-to-success-607301436_3869x2579.jpg

もう少しわかりやすく説明すると、例えば、部下に「なんか問題ある?」と聞いたら、「いいえ、ありません」とだけしか答えず
後から、実は問題が起きていたということがあったりします。

問診は、なぜこの患者さんは来院して、当院で治療を希望しているのか。
その真意を明確することができるのです。

確認をするのではなく、相手の真意はなんだろう。患者さんの訴えや希望する医療はなんだろうという姿勢を忘れないことです。

ヒントになれば幸いです!