なぜ、何回も教えているのにわからない

ハートのマカロン♪ 初めましていただきました!食べには、もったいない感じです。

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何回も教えているんですが

クライアント先の師長さん、ある看護師さんの育成に「何回も教えているんですが、分かってもらえなくて・・・」
育成には、吸収の良い部下と、そうでない部下はいる。
「1」と言えば、2,3、とわかってくれる部下もいれば、何度も何回言っても分からない部下、大事なことは念を押してまで、伝えているのに・・・

このようなこと、ありますよね。

受け手に問題があるようにも感じますが、伝え方は、相手が理解しやすいように伝えているのでしょうか。

ここでのポイントは、「何回も」という言葉 10Choosing-the-key-to-success-607301436_3869x2579.jpgのサムネイル画像
師長さんと下記の会話

私「何回もとは、何回ですか」
師長「4,5回位ですかね~」
私「その部下は、師長さんに確認事項かがある時は、どのように聞いてきますか」
師長「提出物がある時などは、いつまでですか。とか、教えている内容だと、2週間ほどでとか」言っています。
私「そうなんですね。では、その部下は、何回という回数で確認することはありますか」
師長「ありませんね~、彼女から2,3回とか、回数で確認してきたことは記憶にありません」
私「ここが、ポイントです。師長さんは、何回という言葉でコミュニケーションを取っています。しかし、彼女はいついつまでにと期間を重視したコミュニケーションですね。人はそれぞれに、回数を重視する傾向と期間を重視する傾向、あるいは直感的な傾向、納得するまでは時間を要しますが、納得したら一貫しているという傾向で、意思決定をしています。相手の言葉をよく聞いてみると、回数重視、期間重視、直感重視、一貫性重視とパフォーマンスの傾向に優位差があるのです。これまでも何度かお伝えしていますが、コミュニケーションに良い悪いということはなく、このような優位差にギャップが起きているのです。彼女は期間重視型のパフォーマンスが高い傾向にあるので、意識して、いついつまでにというような表現で育成をしてみてはいかがでしょうか」とお話しました。

そして、数か月後、師長さんから
「あの後、彼女(部下)に期日に意識した言葉で教えるようにしたら、着実に理解できるようになりました」と声をかけてくださいました。

伝わらないと悩むのではなく、相手の言葉にフォーカスしてみる事で解決されることもあります。

医療を提供する患者さん対応でも、この回数重視、期間重視を活かせることがあります。
例えば、眼科で散瞳検査時などでは
医療者「○○さん、瞳孔を開く検査をしますね。何回が点眼しますので」と説明すると
患者「何分、待つんですか」と聞く
医療者「瞳孔が開くまで数回です」と
患者「どのくらいですか」と・・・
このような会話があったりします。
これこそが、回数重視と期間重視との違いです。
医療者側は、「この患者さん、何回と何度も言っているのに・・・???」とセルフトークをしていませんか。

相手は回数ではなく、期間を重視することで理解するタイプの患者さんですね。
「○○さん、瞳孔が開くまで数回点眼しますが、20~30分ごとにしていきますね」と回数、期間、両方の言葉で伝えることです。
なぜなら、患者さんはどちらの傾向が高いかは、話してみなければ分からないからです。
ヒントになれば幸いです!