自院スタッフも守りつつ、安心・安全の医療をいかに行うか5つの要点

おはようございます。新しい一週間が始まりました。
医療現場の皆様、今日もご尽力に深く感謝いたします。ありがとうございます。
一気に新型コロナウィルス感染者が増えて、病院や介護施設でのクラスターのニュース。
各病医院でも再度、入念な対応策を検討され実施されているかと思います。

昨日、ご縁をいただいた医療法人太雄会かみむら耳鼻咽喉科 院長の上村先生からクリニックでの新型コロナウィルス感染症対応時の様子をメールいただきました。

対応の要点5つが実践されています。
1.冷静沈着な対応力
2.いつもと違うと認識できる判断力
3.スタッフの同レベル応対力→知識・情報を常に共有(定期的な勉強会・シュミレーションの実施)
4.的確な応対を再確認
5.適切な応対実務者の行動を称讃
とても参考になる事例です。シェアしたいと存じます。20200413.jpg

(その1)
今週8日(水)の朝一番の電話で、先月に当院受診歴のある患者さんからご予約の電話がありました。
受付スタッフから「いつもの患者さんですが、普段と声が違い、含み声です!早めに診察した方がよさそうです」との連絡を看護師が受けました。

耳鼻科の含み声(hot potato voice)は危険なサインの一つで、急性喉頭蓋炎や扁桃周囲膿瘍などの入院を要することのある疾患が潜んでおります。
感染症の勉強会の時に、院長の私がいつも繰り返しスタッフに言っていることですが、しっかり対応できておりました。
現在、当院の電話応対はどの医療事務スタッフもほぼ同じレベルでできるようになっており、今回の応対もそれにつながったと思います。

さて、その患者さんですが、やはり扁桃周囲膿瘍で、開口障害もあり重症で、そのまま大学病院に連絡し、入院治療となりました。
翌朝のミーティングで昨日の電話対応した事務スタッフの行動を称賛し、電話での状態を予想することの大切さを再認識しました。

(その2)
9日朝の先生のブログに、まさに電話応対の重要性のことが書かれておりました。早速、文章をコピーし、朝のミーティングで知識・情報を共有いたしました。
私たちが今行っていることはやはり間違っていない、医療の安全・安心のために、これからも続けていこうと決意を新たにしたところです。

この日は、午後からは定期の勉強会の日でした。今回のテーマは新型コロナ感染症です。
スタッフ全員が同じ意識との医療人として知識を持って対応するうに説明し、最後に「新型コロナ感染の疑われる患者さんが来院して時にはどうするか」それぞれの部署で考えてもらいました。
また疑わしい患者さんが来院された時の具体的なシュミレーションも行いました。

(その3)
午前診療で、「全身倦怠感、発熱39℃、今週内科にすでに2か所かかるが良くならない」とのご予約の電話を受けました。
電話の主は、以前当院に複数来院歴のある30代の患者さん。昨日の勉強会を行っておりましたので、お車待機を指示
防護着を着用したスタッフに新型コロナ用の問診票を車に持っていかせ、車内で記入していただきました。

一般の患者さんと接触させないため、裏口から診察室に行ってもらい診察開始。
昨今のニュースでご本人も新型コロナがとても不安でPCR検査も希望されていることがわかりました。
昨日保健所に連絡したが自宅待機を指示されたのみ」でとても不安だったと話されました。

臨床所見からは新型コロナも否定はできないため、再びお車待機していただき、私院長が保健所に電話しました。
患者さんには、事前に準備してある新型コロナの医療機関での対応、自宅待機に仕方等の用紙をお渡しし、保健所からの連絡をご自宅で待つように指示しました。

患者さんが帰られた後には、速やかに窓を開け空気の入れ替え、可能なところのアルコール消毒を行いました。
これもシュミレーションしておりましたので、慌てることなく淡々と行えました。

午後の診療中に本人から電話があり、やはり保健所からは「まだPCRの対象ではなく、自宅待機」と言われたようです。
心配でしたので、翌朝に当院の看護師に電話で状態を伺ったところ、「熱が下がり少し楽になった」とのことでしたので、自宅待機を指示し、何かあれば連絡するよう伝えました。熱が下がっていたので、スタッフ全員少し「ホッ」とさせられました。

新型コロナ感染の厳しい最前線で働いている医療従事者は疲弊もピークでとても大変です。
まず初めに地域の患者さんのお悩みに対応するのが開業医のお仕事ですので、診察での医療技術はもちろんのこと、さらには医療接遇の知識を活かして、「自院のスタッフも守りつつ、安心・安全の医療をいかに行うのが良いか?」を深く考えさせられました。

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