春分の日が過ぎて、夜明けが早くなり、朝焼けが一段と美しい日曜日の朝です。
なぜ、聞いてくれないのか
脳血管疾患を主体としてきたクライアント様、病院形態が変わり、一気に病床数が増え、それに合わせてこの2年でリハビリテーション科は多くのセラピストを採用して倍以上のスタッフでリハビリにあたっています。
先日「採用から育成に、かなりのエネルギーを使っていますが、順調に育っている若手は良いんですが、一方で気合だけは良いんですが、勝手に色々とやって聞いてくれない部下に、今、悩んでいるんですが、どうしたらいいんでしょうか。」とリハビリ部長さんとの会話
私がご縁をいただいている病医院では、リハビリのセラピストの方々は、多くが前向きで体育会系の雰囲気があります。
"セラピストとして、少しでも患者さんの役に立ちたい"と
とても意識が高く、熱意があり、頼もしい反面
現場ではありがちなケースでもあります。
1単位20分、患者さんに寄り添い、専門的な技術と知識を持って治療にあたる
とても立派なことですが、上司、先輩からするとまだまだ未熟
わからないことがあれば、聞くように指導していても
その思いが先行していたり、あるいは、聞きづらかったり
様々な状況はありますが、このようなケースに未然にわかるヒントを提案しました。
それは、物事を判断する際、自分で判断する傾向にあるのか、他者の意見に左右される傾向なのかを見極ることです。
例えば、リハビリ予約
患者さんの意向を重視するあまり、機材の調整などはうっかりしていて
他の患者さんのリハビリとかち合ったりする部下
あるいは、まだまだ、初期対応が必要なのに、早く技術を提供したいあまりに患者さんの状態に負荷が罹ったりしている部下
このような部下は、自分の中に判断基準を持ち、自分で決断したいと考えています。
一方、
予約票を見ればわかるのに、一回一回、確認に来る部下
患者さんの状態に、次のリハビリを進めていい状況なのに、「アドバイスをください」と毎回確認してくる部下
判断基準が
内的(自分)なのか、外的(自分以外)なのか
どちらがよりパフォーマンスが高いのかということです。
コミュニケーションにおいては、どちらが良いとか悪いとかではなく、
それぞれのパフォーマンス傾向の優位がどうなのかが大切だと考えます。
今回のケースは、内的基準の高い部下の育成が課題ですが
この部下には、「自分で決める前に・・・」という言葉を付け加えることです。
内的基準の傾向が高い場合は、「自分で決める、任せる」という言葉を使う傾向にあります。
一方、決断するときに他人のアドバイスを必要とする。外的基準の傾向が高い場合は、「アドバイス、フィードバック」という言葉を使っています。
「自分で決めます」と言っている部下なのか「アドバイスをください」と言っている部下なのか
相手の言葉をよく聞いてみてください。
それが、カギです。
内的基準が高い上司から内的基準の高い部下の育成だと、「自分で決めることが出来る」と評価しますが、
外的基準が高い上司から内的基準の高い部下の育成だと、「勝手なことをしているあるいは不安だな~」となるかもしれません。
また、外的基準が高い上司から外的基準が高い部下への育成だと、「よくアドバイスを求めてくれる・安心」となりますが、
内的基準の高い上司から外的基準が高い部下への育成だと、「偶には、自分で決めろ」となるかもしれません。
医療現場に関わらず、あらゆる組織でも活用できるかと思います。
ヒントになれば幸いです!