患者さんから思いもよらない言葉があったときにどうする?

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移動中の車窓からは色とりどりの樹々に見惚れてしまうほどです。20201118.jpg
紅葉狩りに出かけたくなります。

【伝え方の難しさ】

コンサルティングで伺ったデンタルクリニックでのことです。

診察中の対応を拝見していたら、あるキャリアの短い先生が、咀嚼が難しい患者さんに、「ご飯は食べれてますか」と声をかけていました。
先生としては、治療して口腔ケアを行い、美味しく食事をしていただきたいという強い想いからの言葉です。

しかし、それを聞いていた家族からは意外な反応でした。

「ご飯を食べれていますか」→「ご飯を食べさせていない」と解釈したようです。

全く、悪気もなく、相手を思う気持ちから発した言葉だったのですが
コミュケーションの難しさを知る場面でした。

このようなことは、医療現場に限らず日常でもありますね。

意図したこととは真逆に取られてしまう。とても残念な気持ちになりますが
この後の研修では、この事例を基にディスカッションをしました。

そこで、私が提案したことは2つ

1.相手がどう受け取るかはわからないということ
2.この事例から私たちに何を教えてくれているのか

特に「2」に対してが重要です。

「こちらはそんなつもりはなかった。相手がどう解釈するかまではどうすることもできない」確かにそうです。
しかし、その次元でのことではないではないでしょうか。

日常業務に追われると、患者さんからの言葉に意識が低くなっていないか。
どうして、そのようになったのか。 
といった謙虚な在り方を今一度、振り返る機会なのだと捉えることができたとしたら、どうでしょうか。

多様化する患者ニーズをマネジメントする力が求められる時代、
無理難題を強いる患者さんもいたりするかもしれませんが
コミュケーション力、接遇力を高めることは
私が常日頃から伝えている感情のマネジメント力が医療の質に直結しているということです。

そして、何よりも患者さんは命を守ってくれる医療者を頼りにしているということです。

研修終了後、この若い先生から、「『よく噛めていますか』と聞けばよかったですね」と仰ってくれました。
この言葉に、有難く、コンサルティングはやはり現場にあると思いました。

想いもよらない結果にならないようにするには、互いに相手の言葉から何を学ぶかということを教えてもらう貴重な経験でした。

皆さんのクリニックでは、このようなことはありませんか。